第31回自治総研セミナー

・9月10日(土)第31回自治総研セミナー「不寛容の時代を生きる~生きづらさを克服する解を求めて」が東京で開催され、パネリストとして参加させて頂きました。

 

・セミナーの前半は講演で、「租税抵抗の国・日本~寛容な社会の条件を考える~」と題して、東北学院大学経済学部共生社会経済学科の佐藤 滋准教授から、その後「「田園回帰」をたしかな流れにするために~オルタナティブとしての農山村の確立を目指して~」と題して、NPO法人ローカル・グランドデザイン 坂本 誠理事による講演が行われました。

 

・佐藤准教授からは、債務国家化する日本の中で、社会保障の方向感覚が欠如し、同時に国の経済政策も振るわない状況の中、貧困や階層分断が進んでいることを指摘、このことは地域間の分断も招くものであることから、人間の普遍的なニーズに根差した税・社会保障の再建が必要との指摘がありました。

 

・また坂本理事からは、地方創生がもたらすものは総合戦略の策定が実質的な義務付けであり、また交付金配分もその実態は国の推進する施策に収れんされており、中央集権への回帰(地方分権改革からの逆行)を指摘、自治体においても縮小するパイを給付競争(子ども医療費、保育料の減免、結婚・出産祝い金など)や移住者にターゲティングした優遇策競争が煽られている事例を紹介しながら、「領域」よりも「点」を重視する現代においては、社会的なまとまりの「領域性」が軽視され、「点(中心)」の役割を重視する傾向であることについて指摘がありました。

 

・後半のパネルディスカッションは「不寛容の時代の自立戦略~自己責任論を超えて~」と題して行われ、私から「夕張市の財政再建を考える」と題して問題提起をさせて頂き、その後コメンテーターとして佐藤准教授、坂本理事から、講演して頂いた内容と夕張市の財政再建をリンクさせ、それぞれのお立場でコメントを頂きました。

 

・コメントの中では、不適正と言われた会計処理は、果たしてどこもやっていなかった手法なのか、財政再生計画が最上位の計画であるがゆえに、地域社会への投資の機を逸していないか危惧、また過去の夕張も財政面の集権体制の中にあったと思われるので、これからのまちづくりにおいても自律力のもとで「領域の役割」を念頭に置き進めて頂きたいなどのご意見・ご提言を頂きました。

 

・両講演とパネルディスカッションを通じて、税負担とその配分は人づくり、地域づくりの条件整備が密接に関わり合っていることを学ばせて頂きました。

アクセスカウンター