JR夕張支線の廃止提案・要請について、市長から説明を受けました

・既に報道されておりますが、8月8日(月)、夕張市長がJR北海道島田修社長に対し、廃線の提案・要請、同時に①市内交通体系の見直しへの協力、②JRの所有する施設や土地については、JRの責任において対応し、市への無償譲渡など有効活用も検討、③JR社員の夕張市への派遣要請を行いました。

・この提案・要請について、事前に議会に対する説明・協議の場の設置などが行われなかったことから、「全員協議会」への出席及び説明を要請し、昨日10日、市長から説明を受け、その後議会としての対応を協議しました。

・また席上、市長からはJR北海道島田修社長が8月17日13:00に夕張市に来られる旨、JR北海道からプレスリリースされたとの報告がありました。

市長からの説明

・市長から廃線提案・要望を実行した理由として、夕張支線の置かれている現状(トンネル・橋梁等構造物の老朽化・営業損益が管理費込みで年▲182億円となっていること)、あらゆる政治活動・情報収集の結果、また7月29日のJR北海道の記者会見や同社の財務状況、国や北海道の財政事情等を勘案すると、廃線というカードをいつ切られてもおかしくない状況であり、市長としてどういった手を打つべきか、いかにして市民の足を守るのかを判断した結果によるものである。この時期を逃すとタイミングを逸するとの判断に基づき、提案・要請を行った。議会に対しても事後の報告となったことへの指摘は重く受け止めるもので、今後は市民の皆さんにも丁寧な説明を行う予定でいるが、ぜひ理解頂きたいとの説明がありました。

 

・また、3点の提案事項については、平成31年度までに整備を進めようとしている拠点複合施設・交通結節点の機能整備を進める予定だが、JRが残るかどうか不透明ではその整備が進められないこと、今後仮に廃線となった場合の市の交通体系維持にあたっては、新たな交通体系のモデルづくりにともに知恵を出して頂きたいとの思いによるものとの説明があり、JR北海道には8月中の回答を求めたとの説明がありました。

議員意見等

・これらの説明を受けた後、議会側からは市民・議会への説明が事後になったことへの指摘と、これを踏まえた今後の対応を要請し、提案後の市内対応の状況、なぜ急な要請になったのか、新聞報道にあるように他線区自治体への影響、全道的なJRと線区自治体との情報共有の状況、提案決定は市の単独によるものか否か、また庁内での協議・決定状況等について等々の確認を行いました。

・市長からは提案後直ちに市内公共交通機関、商工会議所、夕鉄バス、夕張高校などへの説明を始めている、夕張市民の足を守るという首長判断によるもの、廃線に極めて近い状況であることの判断によるもの、減便の際に議会にも示した老朽構造物等のデータは、市が独自にJR北海道に対して提示を求め情報共有を求めたもの、提案の決定は市長の政治判断に基づき、担当部署と進め最終決定を行っていると、それぞれ回答がありました。

 

・その後議会内での協議を行い、公共交通としての役割をしっかりと果たして頂きたいが、一方民間企業としての企業の財務状況(平成27年度決算における経常損益が▲175億円であり、国からH28~H30で1,200億もの財政支援が行われること、)夕張支線の営業損益の状況(管理費を含め年▲182億円、営業係数:100円の収益を得るための営業費用は1,421円)、輸送密度の激減や老朽化構造物の更新費用(トンネル6.5億円・第8志幌加別川橋梁9千万円のほか、経年が100年近い橋梁が13橋あること)、市の財政状況から上下分離方式も受け入れられる状況にないこと等から、路線維持は困難な状況に至っている点は全会一致での確認となりました。

・またJRに限らず、バス運転手の確保が困難となってきていること、デマンド交通の充実に関する市民要望もあること、拠点複合施設・交通結節点機能の整備を行っていかなければならないこと等を勘案し、市の廃線提案を理解することとしました。

 

・なお、議員意見においては、拠点地区の充実に留まらず、拠点から離れた地域の交通確保、仮にJRが廃線となり代替交通となった場合の料金体系、通勤・通学の足の確保、既存公共交通機関との綿密な連携、石炭ととも鉄道は夕張の歴史であり、鉄道遺産の保存等を通じた地域振興策の実現(交流人口増加策の一環)などが挙げられ、今後17日のJR北海道の回答を確認し、議会としても現状の問題点等を洗い出し、どのような公共交通、また関連施設等の整備が必要か、現場検証・協議を行っていくこととしました。

 

・私も鉄道沿線で暮らしていた経験がありますので、将来にあっても鉄路が地域から無くなることは残念ですが、夕張支線やJRをめぐる財務状況、営業損益や輸送密度の現状、また夕張市の財政状況からは財政負担を求められても到底耐えられるものではなく、新たな公共交通体制の整備に早急に着手することが、市民の足の確保に今求められている状況にあると考えます。

 

・また、今後留意しなければならない点としては、夕張のみならず、北海道の鉄道の歴史、また石炭輸送を通じて市の発展に寄与してきた歴史を残し、鉄道なきあとも鉄道遺産等を通じた地域振興策も必要と考えます。

 

・なお、夕張支線の廃線提案には財政再生団体であるが故の背景、支線は夕張市内のみであること、今後交通結節点機能整備が迫っているなどの特殊事情も抱えているものと考えます。JR北海道や北海道には、夕張の事例を押し付けることなく、各線区ごとの事情に即した対応・コーディネート機能を十分に発揮して頂きたいと考えます。

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