近隣自治体との歳入・歳出予算の構成からも明らかになること

左側が夕張市です
左側が夕張市です

歳入・歳出予算の構成を見てみましょう

・先日の日曜日、今月末に福岡へ持ち込む資料の整備をしておりました。

・この円グラフは資料に掲載予定の「夕張市と近隣自治体の歳入・歳出予算の構成」を比較したものです。

 

・夕張市は、2010年の財政再生計画策定時の実質赤字322億円の収支不足を振り替えるため、「総務大臣の許可を得て」再生振替特例債を発行し、17 年間で償還することとしています。(いわゆるローンを組んだと考えて頂ければわかりやすいと思います。)

 

・今年度からは3年据え置きとなっていた再生振替特例債の「元金償還」が始まったことから、歳出予算の構成をご覧頂いてもわかるとおり、公債費(市の借入金の償還経費・この中には再生振替特例債の元利も含んでいます。)は歳出予算の38.4%、再生振替特例債の割合だけを抜き出しても25.2%を占める状況で、近隣自治体と比較しても、歳出予算に占める公債費の割合は倍以上となっています。

・一方、歳入では地方交付税が48.1%を占めているわけですが、地方交付税法にはその目的として以下のように記載されております。

地方交付税法に示されたその目的

~目的~

地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。

 

・言わば夕張市行政の計画的な運営を保障することを目的に交付されたものでありますから、ここから再生振替特例債を償還することは即ち、本来必要な行政サービスなどが損なわれている状態と言うことができます

 

・また、再生振替特例債も、夕張市が実質赤字解消のために、総務大臣の許可を得て借入したもではあり、それは夕張市の決定によるものであるとはいえ、交付税法が果たす役割と大きくかい離した、このような状況の改善なくしては夕張市の今後の行財政運営はさらに厳しい状況が続きます。

 

個別の政策課題は極めて打ち出しにくい環境

・現在の夕張市は、基本的には

「財政再生計画に計上済の事業」しか行うことができず、変更が必要な事業が現れれば、緊急性・重要性・市民の安心・安全に関わるものか否か、という基準のもとで北海道・国と協議を行い、変更すべき事業に充てられる財源が確保されれば変更が認められるという状況です。

 

・また鈴木市長が求めてきた国・北海道及び夕張市の三者協議についても、課題の共通認識は図られ、「解決」として、その道筋がつけられたものもある一方、現在市が課題として挙げているものは70項目に上るもので、今後も財源をどう確保するかということが課題となり続けます。

 

・財政再生団体はここの議論から逃れることは許されず、現在のような予算の構成では、交付税法の目的にもある「地方自治の本旨の実現」には程遠い状況に置かれています。

 

実質公債費比率が財政再生基準を超えているのです
実質公債費比率が財政再生基準を超えているのです

近隣自治体との政策格差が生み出すもの

・話は近隣自治体の歳入・歳出予算の構成に戻りますが、人口規模や自治体の産業構造のほか、保有施設等々様々な違いもあり、単一に予算構造のみを単純比較できるものではありません。

 

・しかし歳出予算の構成の特徴として、総務費・教育費の違いは一目瞭然です。では教育費の状況はどうでしょう。

 

・夕張市は予算総体の2.2%であるのに対して、近隣自治体は7.4%、その予算額の差は実に3.5億にもなるものです。単年度に支出が大きく伸びる工事請負費などが含まれているわけではありません。

 

・このような状況からも推察できるとおり、結果的に財政再生計画は「現市民」に大きな負担を強いているのではないか?その視点でしっかりと事業の内容も含めた比較に基づく検討が必要です。子どもたちにとってみれば、財政再生計画期間の中で成長過程を過ごしていかなければならないのですから。

 

・先般の各団体との懇談会でも『小学校卒業と同時に転出する世帯が増加傾向にある』との指摘もありました。

 

現市民に過度な負担をかけない償還方法を

・現在の法律では実質赤字の解消のために市が「総務大臣の許可を経て借り入れした」再生振替特例債の償還は免れられるものではありません。

 

・しかし、この償還があることにより交付税法の目的が活かされないという状況を自治体の責任のみにしてよいものか、法律の矛盾をどう解消していくのかを国・北海道とともに議論していかなければならないのです。これができない状況であっては、今後の夕張市のまちづくりは非常に厳しいと言わざるを得ません。

 

・過日開催した市議会と各団体との懇談会でも多くのご意見・要望を頂きました。

・しかし、これらのご意見・ご要望の多くは、切実なものも含まれてはおりますが、現在の「緊急性・重要性・市民の安心安全」という尺度からすれば、現計画の範ちゅうに盛り込む余地が作れるのか否かという範囲の中でしか議論できない状況であり、これでは現状の根本解決には繋がりません。

 

・これら個別の課題もすべて収れんされる予算の構成、その根幹でもある計画遂行における問題をさらに深堀りしていかなければばならないと、資料作りを行ってあらためて思ったところです。

 

・遅きに失することのない対応が今求められている状況だと思っております。

 

・第4回定例市議会は、平成26年度予算編成中に行われる会議であり、言い換えれば私ども任期最終年度の予算となるものです。これらを踏まえて、しっかりと対応してまいります。

 

・なお、財政再生団体の課題は多岐にわたるもので、この文面をお読みいただいても解りにくい部分も多々あろうかと思います。

 

・あらためてまた個別の課題について掲載させていただきたいと思っております。

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